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ナパ・ヴァレー便り―ヴェレゾン(葡萄の色づき)、ボトリング前の最後の準備

ナパ・ヴァレーにあるケンゾー エステイトのワイナリーより近況が届きました。ケンゾー エステイトのワインが作られる葡萄畑、ワイナリーの雰囲気を少しでも感じていただけたら幸いです。

【畑の風景①】良質な葡萄を実らせるために欠かせない「枝伐採」と「間引き」

夏はケーンカッター(枝伐採機)が葡萄畑で活躍する季節です。ケーンカッターはフランス製の重機で、葡萄樹の列の上、左、右の3辺で伸びすぎた枝をばっさばっさと刈り取っていきます。

この「枝伐採」の目的は主にふたつあります。ひとつは、この時期、葡萄樹が持つ力を枝や葉の伸長ではなく、結実や実の成熟のために使うことを促し、良質な葡萄を実らせるため。もうひとつは、さらに混み合った葉を取り除き、風通しを良くして病害を防ぐためです。7月から始まったこの枝伐採は葡萄樹1列あたり2~4回行い、8月まで続きます。

ケーンカッターで整えられた葡萄畑

そして、良質の葡萄を作るために欠かせないもうひとつの作業が「間引き」です。葡萄畑の現場を取り仕切るサンティに、「間引き」の作業について聞きました。

限られた数の、最も日当たりの良いところになっている葡萄の房だけを残し、間引いていきます。品種、区画によって異なりますが、残すのは1本の葡萄樹あたりおおよそ12~14房のみ。約50%の房を間引くことによって、最高品質の葡萄、そしてワインが作り出されるのです。

カベルネ・フランの畑での間引き作業の様子

【畑の風景②】色づき始めた葡萄

夏の葡萄畑で起こる大切な出来事がもうひとつ、ヴェレゾンです。葡萄が色づき始めると、緑一色だった畑は、まるで紫や紅色のあかりが灯ったように華やかさを増します。2022年の収穫がすぐそこまで来ている証です。

プティ・ヴェルドの房
マルベックの房

【ワイナリー】2020年ヴィンテージの赤ワイン、ボトリング前の最後の準備

ワイナリーのケーブで行っているのは、2020年ヴィンテージ赤ワインのボトリング前最後の準備です。沈殿物を取り除く「澱引き」、樽の中でワインが蒸発する時に生まれる空気の隙間にワインを継ぎ足して埋める「トッピング」などを、蒸発したワインの「エンジェルズシェア」が満ちるケーブで、ひと樽ひと樽、ワインの様子を確認しながら作業を行っていきます。準備が整ったワインは樽から大型のステンレスタンクに移され、8月に控えたボトリングの日を待っています。

ボトリング前の最後の準備を行うワインメーキングチームの黒田さん

ケンゾー エステイトのワイナリーではツアーを実施しています。ツアー内容やご予約など、詳しくはこちらのページでご覧いただけます。

本記事で取り上げた葡萄を使用したワインをご紹介します。

カベルネ・フランは、一般的には補助的な品種としてブレンドされますが、ケンゾー エステイトでは理想的な完熟を果たしメイン品種としても活躍します。
カベルネ・フラン主体の赤ワイン「明日香 asuka 2019」はこちら

プティ・ヴェルドは、ワイン全体の味わいにアクセントを加え、果実味を引き立たせる重要な役割を果たします。
プティ・ヴェルドをブレンドした赤ワインはこちら
「紫鈴 rindo 2019」を見る
「明日香 asuka 2019」を見る
「紫 murasaki 2018」を見る
「藍 ai 2018」を見る

マルベックは、ワインに深みと複雑さをもたらす重要な役割を果たします。
マルベック主体のロゼワイン「結 yui 2021」はこちら