kenzoestate

豊かな環境で丁寧に育まれる
葡萄の果実

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栽培品種

葡萄ごとに最適な畑へ

畑は細かくブロックに分けられて管理されており、各所で微妙に異なる気候や土壌、地形に従ってに最適の葡萄品種が植えられています。緩やかな稜線を描き出す山頂の土地に位置するケンゾー エステイトの葡萄畑は、起伏に富んだ地形とサン・パブロ湾から吹き上がってくる清涼な風と相まって、畑の中でも場所により微妙な気候の違い(マイクロ・クライメット)を作り出しています。そのため、ブロックごとの特性を見極め、慎重に栽培品種を選択することが非常に重要です。「最適な品種を最適の場所に」という葡萄栽培の基本を忠実に守っているからこそ、ケンゾー エステイトの畑では、上質な果実が実るのです。

カベルネ・ソーヴィニヨン

赤ワインに骨格をもたらすボルドー品種の代表格

力強いタンニンと豊富な酸を含み持ち、ワインに堅牢な骨格を与えるボルドー原産の黒葡萄品種、カベルネ・ソーヴィニヨン。ワインの歴史の中で数多くの名品を生み出してきたこの黒葡萄は、ケンゾー エステイトの赤ワインづくりにおいても非常に重要な品種であり、栽培面積も最も大きい。フラッグシップワイン『紫鈴 rindo』の主体となるのもこの葡萄ですが、中でも最良の葡萄は、プレステージ・キュベ『藍 ai』として花開きます。晩熟のため、最後に収穫されるこの葡萄は、ナパの太陽の恵みを存分に受けながら、豊富なフェノール類と香味成分を蓄えるため、ケンゾー エステイトの赤ワインの骨格となり、深みある味わいをもたらします。

メルロ

エレガンスな赤ワインを生み出す果実味に溢れる葡萄

カベルネ・ソーヴィニヨンに比べてやや早熟なボルドー原産の黒葡萄品種。高い糖度と穏やかな酸、柔らかなタンニン、そして豊かな果実味を特徴とするこの葡萄は、カベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドでは大きな役割を果たします。力強さを身上とするカベルネ・ソーヴィニヨンの個性に優しく寄り添い、その堅牢な骨格を柔和かつふくよかな味わいで包み込み、ワインに豊かな肉付きを与えるのです。ケンゾー エステイトの赤ワインでは、『紫鈴 rindo』『藍 ai』にもブレンドされていますが、最もブレンド比率が高いのは『紫 murasaki』。このワインの、何よりも優雅な個性を作り出すのに、メルロが大きな役割を担っているのです。

カベルネ・フラン

無二の華やかさを醸し出す香り豊かな葡萄

ボルドー原産でカベルネ・ソーヴィニヨンの親品種にあたるカベルネ・フランは、ボルドータイプのワインでは、一般的には補助的な品種としてブレンドされます。ケンゾー エステイトにおいても、特にフラッグシップの『紫鈴 rindo』には20~30%ほどブレンドされ、繊細でしなやかな果実味を与えています。しかし、ケンゾー エステイトのカベルネ・フランはブレンドの脇役に留まってばかりではいません。単に香りつけの補助品種として扱われるカベルネ・フランですが、ケンゾー エステイトでは理想的な完熟を果たし、その魅力を見抜いた辻本憲三がメイン品種として取り扱うことを決意したのです。そして誕生したのがケンゾー エステイト第4の赤ワイン『明日香 asuka』。カベルネ・フランで高級ワインを作るのは難しいという、ワイン業界でまことしやかに語られる常識も、その華やかさと芳醇さの前には霞んでいくことでしょう。

ソーヴィニヨン・ブラン

特別な個性が花開いた白ワイン用のボルドー品種

ケンゾー エステイト唯一の白ワイン『あさつゆ asatsuyu』を生み出す品種ソーヴィニヨン・ブラン。同じカリフォルニアでもソノマでは、白ワインと言えばシャルドネを主流として葡萄作りを行っていますが、ボルドースタイルのナパ・ヴァレーでは、白ワインと言えば、ソーヴィニヨン・ブランの栽培にこだわています。中でもケンゾー エステイトの土壌は、ソーヴィニヨン・ブランの栽培に適していて、事実、同じクローンの苗木を他のワイナリーで栽培しても、『あさつゆ asatsuyu』に並ぶ個性が発揮された例は未だありません。芳醇にして爽快、そして確固としたミネラルを併せ持つ、何よりもピュアなその味わいは、ケンゾー エステイトの純粋な自然環境なしには得られない唯一無二の個性なのです。

マルベック

赤ワインに深みと複雑さを与える葡萄

この葡萄単体で造られる赤ワインは、ボルドーなどではブラックワインと言われるほど色が濃く、独特の風味をもっています。その個性故に補助品種として用いられることが多いのです。ケンゾー エステイトでは、赤やロゼワインに使用されており、ワインに深みと複雑さをもたらす重要な役割をはたしています。

プティ・ヴェルド

赤ワインの果実味を引き出すアクセント

この葡萄は濃いタンニンとスパイシーな香りを特徴としています。ボルドーブレンドのワインにおいては、ブレンド比率はそう高くはありませんが、まさに料理におけるスパイスのように、ワイン全体の味わいにアクセントを加え、果実味を引き立たせるという意味で、重要な役割を果たしています。

セミヨン

膨よかさをもたらす甘美な白葡萄

糖度が高く穏やかな酸味が特徴的な、ボルドー原産の白葡萄品種。洋梨や蜂蜜のような芳香をもつセミヨンを、ソーヴィニヨン・ブラン主体の白ワイン「あさつゆ」「夢久」「清」に少量ブレンドすることで、優美で気品漂う上質でエレガンスなワインへと昇華させるのです。