3月後半、葡萄畑では発芽(芽吹き)が始まりました。昼間と夜で寒暖差が激しいナパ・ヴァレーでは、昼間は摂氏20度後半になっても、夜半には霜の心配があるほど気温が下がることも珍しくありません。生まれたばかりの繊細で小さな芽を守るために、畑のウインドマシン(送風機)を回し、上空の暖かい空気を送り込み霜の被害を防ぎます。ヴィンヤードワーカーによるそんな細やかな世話があって初めて、畑は、秋に豊かな実りを迎えることができるのです。
今年も発芽が始まりました。写真の葡萄樹はプティ・ヴェルドです。プティ・ヴェルドは少量をブレンドすることによって、その特有のスパイス香からワインの香りを華やかにし、タンニンを豊かにする特徴があります。
朝靄に包まれる畑。この時期のこの時間は、まだダウンコートが手放せません。ケンゾー エステイトでは、夜明けとともに朝靄が降り立ち、辺り一面を幻想的に包み込んでいきます。この朝靄がもたらす天然のあさつゆが、澱みない果実を育んでいくのです
芽吹いた葡萄樹が斜面に連なっているように、ケンゾー エステイトの畑は、起伏に富んだ緩やかな丘陵地で構成されています。日当たりが良く、風通しの良い地形は、葡萄栽培にとって、最適な環境と言えるでしょう。